前回の記事の続きです。
「受験は母親が9割」で参考になる章をピックアップ
以下、塾長が”重要だ”と思った章をピックアップしてコメントしていきます。
★母親業の道は深い。やるべきことは無限にある
著者は一貫して、いわゆる”プロママ”を目指しています。
あくまでも“母親としてのプロ”であることを自覚していらっしゃいます。
津田塾大卒で教師経験があっても、中学入試は専門外なので余計なことはせずに、勉強そのものはプロに任せて、徹底的にサポートにまわっています。
よく塾の口コミで捨て台詞のように「私が教えた方がマシ」と仰る方がいますが、それは”見当違い”だと思います。
色々ご不満があって腹立たしいのかもしれませんが、素人が受験向けのテキストを選定・カリキュラムを作成した上で実際の指導までこなすのはどうあっても無理な話です。
ブログの他の記事でも似たようなことを申し上げていますが、
草野球したことしかない人が急にプロ野球の試合に出るのが無理なことは理解できるのに、
受験に関しては、少々知識を身につければすぐに”プロ”のクオリティに近づける
と誤解している人が多いように見えます。
これは年数に関係なく、教育現場にいる人も同様です。
中学入試や大学入試を指導する最前線の場にいたこともないのに、なぜか急にテキストさえあれば中学入試や大学入試、小論文などの指導がすぐにできると思っている人がいます。
本当に無知だからこそ、安易に”できる”と勘違いするのかもしれません。
★子どもの教育に関する責任は100%母である「私」にある
ここまでの覚悟で挑んでの結果であり、何かあればすぐに簡単に他人に責任を押し付けることをせず、まず家庭の意識・習慣の問題として受けとめて対処されています。
★よい塾は子どもの能力だけでなく母の教育技術も向上させる
(塾を)「家が近くて便利だから」「通いやすいから」という理由だけで決めてはいけません。
(著書より引用)
塾を検討する際に
という人がたまにいます。
有り体に言ってしまうと
“合格が何よりも一番の目的ではない”
ということです。
人の事情も知らないで、勝手なこと言わないでよ(怒)!!!
とお叱りを受けそうですが、もうハッキリ言いますね。
ええ、もうどうせ今の時点で既にムカついてる人いるかもしれませんし、ズバッと言っちゃいます。
受験は「買い物」でありません。
何事も旬があり、時間にも限りがあります。
それはつまり、
ということを意味します。
もちろん、何を優先するかは各家庭の自由であり、塾がそれを強要する権利も義務もありませんが。
★学校と塾の宿題は、どんなに大変でも完璧にこなす
不合格だった子は大体これができていないです。
ここまで厳しいことは言わないにしても、合格を目指すのであれば8割以上はできた方がいいです。
どうしても自力でできない場合は、志望校を落とすか、プロの指導を早めに受けるしかありません。
当たり前ですが、病気と同様にできないまま時間が過ぎると受験に間に合わないケースが多いです。
どんな小病でも放置すれば大病になります。
そうなれば、たとえブラックジャックであってもどうしようもありません。
★出題範囲を把握し、いつ何を勉強するか母が具体的に決めていく
これはこの本全体に言えることで、著者は母の役割として全面に押し出していますが、きちんとまっとうできるなら保護者の誰が担当してもいいと思います。
★3歳までに絵本1万冊を読み聞かせする
読み聞かせの期間が終わったら、最低でも週に1冊、年50冊は読めるはずなので、本の内容レベルを少しずつ上げながら習慣づけていくといいでしょう。
★参考書・問題集代はケチらない。母が選んで買ってくる
他記事でも書きましたが、たくさん買っても当たりのテキストに出会う確率は3割程度です。
中学入試だと、市販で10万円ぐらいは使って当然だと思います。
そのうち大体3万円分ぐらいが実際に使えるテキストになります。
本当に心の底から志望校に行きたいと思うなら、例え30万円でも多くはないと思います。
今回、受け取る人によってはやや辛口になりましたが、適当にお茶を濁すのも嫌なので割とざっくばらんにお話しました。
学生の時に始めた大手進学塾の講師時代からずっと、いろんな生徒さん、保護者さんを見てきました。
またどこかでお話するかと思いますが、ある大手進学塾で若手講師たちから
“お願いしますオバサン”と陰で呼ばれていた保護者さんがいらっしゃいました。
一見、教育熱心と言えなくもないですが、講師側からすればそのようなあだ名をつけたくなる面が多々あったのだと思います。
保護者の皆さんが数多ある塾から選ぶ立場にあるように、大手進学塾から見た生徒さん・ご家庭像というものがあります。
塾選びの際はそれを頭の片隅に置いてご検討いただければと思います。