前回の続きです。
ミスを恐れる子、無かったことにしようとする子
問題の答えを間違うと「お母さんに叱られるから」と言って、急いで消しゴムで消して無かったことにしようとする子がいました。
学習に関することで、先生の言うことと親御さんの言うことに相違があると、パニックになって頭を抱えてしまう子がいました。
日頃から”親が言うことは絶対”なので、少しでもそこから外れることが怖い、というように見受けられました。
「勉強が嫌だ。お母さんに”もうこんなに勉強しなくていい”と言ってほしい。」と小声で必死に訴えてくる子もいました。
お母さんが怖いので、たくさん問題をこなしているフリ・やる気があるフリをしている為、どうしても自分からは言い出せないようでした。
けれど、その親御さん方は、
今の5倍くらいの学習時間と労力(親のフォローも含む)、おまけに費用をかけないと行けない志望校に何が何でもわが子を入れようとしていました。
だから、決して現実的なことを言わない、「大丈夫、絶対合格させますよ!」と確約してくれる塾や講師をいつまでも探し回って迷走し続けていました。
親の期待に応えなければいけないという強迫観念で、ミスを恐れる子どもはミスを無かったことにしようとします。
そして、たとえ答えを写してでも体裁を取り繕おうとします。
中には親御さん(または兄弟姉妹など)も一緒になってどこかの定型文をコピペしたような答えや作文を書いてくることがありました。
授業中に書いた文章と明らかに違い、通常小学生が使わない単語や言い回しを使っている為、すぐに気づかれてしまうのですが。
見栄の為なのか、“こんなにできるようになったから、もう指導は必要ない”と言う為なのか…。


苦手だからこそ克服の為に丁寧に取り組まなければならないのに、現状の学力をきちんと認識しようとしないのは、かえって合格から遠ざかることになるので、本末転倒な気がします…。
受験勉強は学校の宿題をやり過ごすのとは訳が違うということ、それどころか大人の変な横やりで却って学力を悪化させる可能性があることを、もっと知ってもらいたいです。
次回、教育虐待④「”あなたのため”と言いながら子どもを真綿で締め付ける親」に続きます。