前回「無理に勧誘しない・説得しない理由①」の続きです。
無理に勧誘しない・説得しない理由②
誰でも、厳しいことや耳が痛くなることは言われたくないだろう。
だけど、少しでも向上しようするには、当然その分だけ努力が必要です。
白鳥だって、優雅に泳いでいるように見える水の下で常に足を動かしているのだから。
学校で教えていた時、「お金をかけずに、なるべく楽して一流校へ行ける抜け道ってないかな?」と真っ正直に聞いてくる生徒が何人もいたけれど、はっきり言って、そんなものはない。
例え中高一貫校であろうとも、自動的に一流大学へ入学できるエスカレーターの機能を備えてはいないし、そもそも誰でも無事に進級できるという保証すらない。
教育心理学において、ピグマリオン効果(人間は期待された通りの成果を出す傾向がある)といわれる心理学用語があるが、それは同時に、実行する本人が”適切なやり方”で”たゆまぬ努力”を続けてこそ発揮するものだと思う。
また、ポジティブばかりが正しいと思われがちだけど、入試に関してはある面白い傾向が見られることを、長年の経験から知った。
例えば入試が終わって「全然できなかった」「駄目だった……」と落ち込んでいる生徒ほど合格しているのに対して、「全部できた!」「余裕!」と言っている生徒の方が不合格なことが多いのだ。
誤解していただきたくないが、ポジティブ思考を否定したいわけではない。
ただ、空疎なポジティブより、慎重なネガティブの方が、入試では有利になる事実があることを覚えておいていただきたいです。